注意点を知っておけば、入社後のトラブルや不安定な感情を乗り越えられます

■リアルな職場を受け止める
 あなたは新しい職場にどのようなイメージを持っているでしょうか。まだ転職活動中で次に働く職場が決まっていない人は具体的なイメージができないかもしれませんが、そうした会社が決まれば、自分の中でいろいろとイメージを湧かせることになるでしょう。

 しかし、そうしたイメージとリアルは違うと、今から思っておいてください。入社後、数々のイメージとの違いに戸惑ったとしても、深く考え過ぎないこと。受け止めてしまうのが一番です。

 気にしていたらキリがありませんから、リアルな職場の状況を受け止め仕事に向かうことを注意点として持っておきましょう。

あらゆる方向からの情報収集を

 入社後は情報収集にも精を出さなければなりません。同僚、上司などからの情報収集によって、早く仕事を覚えることができるはず。会社の業績はどのような具合か、就業規則はどうなっているのかなど、会社の情報についても集めておきたいところ。働き方や目標、自分の役割などが見出しやすくなるでしょう。加えて、取引先などの情報も知っておきたいですね。

 もちろん新聞やインターネットによって自分が飛び込んだ業界や職種、関連企業などの情報も集めておくべき。そうしたものも仕事に活かすことができますし、20代であれば次の転職もあるかもしれませんから、その時のための貴重な情報とすることもできます。

悩みはひとりで抱え込まない

 入社後、もし悩んでしまったとしても、それを一人で抱え込まないようにしてください。一人で抱え込んでしまうことほど辛いこと、危険なことはありません。精神的にも辛くなり、それが体調にも悪影響を与えてしまえば、せっかくの転職も台無しです。

 入社後に悩んでしまう転職者は非常に多いので、それを相談できる人を見つけておいたり、あるいはリフレッシュしたりストレス解消ができるような環境を整えておくことも大切です。これも入社後の注意点として覚えておくと、余裕のある働き方ができるのではないでしょうか。

20代の転職と試用期間

試用期間の意義

 20代で転職先が内定し、労働契約内容の確認に出向いたとき、試用期間について、説明を受けるひとが大半でしょう。試用期間とは、企業が採用した人材の募集職種への適性や勤務態度を見て、本採用をするか否かを判断するための観察期間のことをいいます。その期間は、企業の裁量に任されており、1カ月から1年とまちまちです。

 ですが、労働基準法で定められているわけではありませんし、正社員雇用の場合、入社した時点で長期雇用が前提ですから、社員同様の権利を有することになります。具体的には、健康保険や雇用保険、労災保険、厚生年金などへの加入が前提であることがあげられます。

 試用期間中の給与が、正社員採用時より低めになることも多いですが、この金額が居住地域の最低賃金を割り込んではいけません。

試用期間は解雇や退職は簡単か

 試用期間と聞くと、満了時に解雇される可能性があるのかと、不安に思う20代の転職者もいることでしょう。試用期間は、採用した社員の身元保証を確認するための期間ではありませんので、本人の経歴詐称や出勤率の悪さ、勤務態度に問題があるなど、解雇するうえで正当な事由がない限りは、企業の都合で簡単に解雇することはできません。

 試用期間開始から15日が経過した時点で、ほかの社員同様に、解雇日の30日前に予告をするか、平均賃金の30日以上の解雇予告金を支払う義務を、企業が負うことになります。ただし、試用開始から14日以内であれば、この義務を果たす責任は生じません。

 同様に、試用期間中あるいは満了時に、社員が正規の雇用契約を拒むことはできますが、即日退職することはできません。社会保険に加入した時点で、職歴として記録が残ります。

辞める前に有給まとめて消化・・・したいけどダメ?!

20代で転職活動をスタートして内定したけど、今の会社でつかいきっていない有給がある、どうしたらいいだろうと迷ってる人は少なくありません。“数日分あるはずだけど、まとめて消化すると会社に迷惑がかかるし、感じ悪いかも・・・”とか“有給ちゃんと取れるんだろうか?!働いている時も言い出しにくかったしな・・・”という本音もありそうです。

「残っている有給の日数」を会社と確認をしよう!

数年越しに有給を完全消化しないで繰り越してきた男女は、会社に問い合わせて残っている有給を確認しましょう。有給を取得することは法律で定められた労働者の権利であり、会社は拒否することは認められていません。ので堂々と取得すればいいのですが、何日残っているか分からない・・・のでは予定が立てられません。

転職先と「退職日」について相談をしよう!

一般に転職先は内定を出したら1日でも早く入社してきてほしいと考えているので、入社日を先延ばしにするのはせいぜい1か月前後です。有給を消化することは労働者の権利だから堂々と消化すればいいのですが、かといって辞める会社には引き継ぎや残務処理があるので、労働者ひとりの都合でスケジュールを決めることはできません。

「時季決定権」って何ですか?!

会社が社員の希望している休暇の時期を変更できる権利です。20代の転職希望者が「退職日」を自由に決められるので、会社は時季決定権をタテにして退職日を変更することはできません。しかし「有給」に関しては会社は時季決定権を持っているので、事前に話し合いが必要になります。会社によっては引き継ぎ作業などもあります。

20代の途中入社の注意点

転職先では新入社員であると心得よ

 
 20代で転職する場合、社会人経験はありますから、新卒で採用されたときのような新入社員研修などは行われないことが多いはずです。
 
 ですが、転職先ではあくまでも新入社員であり、前職とは違う会社のルールやシステムをいち早く覚え、企業に利益貢献できるスキルを身に付けなければなりません。
 
 まずは、上司や先輩の教えを忠実に守り、会社に慣れ、社内で人間関係を構築することを意識して、日々の仕事に取り組みましょう。
 
 定められた始業時間より早く出社して、上司や先輩と同じように残業するようにして、自分だけが定時で帰ることがないようにしましょう。

入社後3カ月は注意が必要

 
 若い20代の場合、上司や先輩にランチや飲み会に誘われることが多いと思います。そうした場合は、できるだけお付き合いをして、お互いを知るためのコミュニケーションをはかりましょう。
 
 とはいえ、社内に派閥があったり、会社への不平不満ばかりを話すひとの話をうのみにすると、後で嫌な目にあう可能性もあります。
 
 入社後3カ月は何かと注目される時期なので、余計な発言はせず、社会を冷静に観察し、誰の仕事を見習うべきかを見極めて、自分のポジションをつくっていきましょう。

退社の手続きを確認しておこう

会社に返すものと会社から受け取るもの

 
 退社の際、会社に返却しなければならないものと、会社から受け取るべきものがあります。退社日までに確実に遂行できるように、チェックリストを作っておきましょう。
 
 会社に返却すべきものには、健康保険被保険者証、身分証明書(社員証と名刺も含む)、通勤定期券、制服、社費で購入した書籍や事務用品、会社から支給されたパソコン、業務で作成した図面や書類、プログラム、フォーマット、業務上で使用した資料も含まれます。
 
 名刺は、業務上受け取ったものも返却しなければなりませんし、制服はクリーニングして返すのが礼儀です。逆に会社からは、雇用保険被保険者証と年金手帳、後日郵送の可能性もありますが離職票と源泉徴収票を受け取ってください。

財形住宅貯蓄をしていた場合の手続き

 
 財形住宅貯蓄とは、将来住宅を購入したり、増改築することを目的に給与天引きで積み立てる貯金のことです。
 
 通常、預貯金には所得税と地方税を合わせて20%の税金がかかるのですが、財形受託所築と財形年金貯蓄は、元金が合わせて550万になるまで無税とされています。
 
 転職先にこの制度がない場合、解約手続きが必要で、遡って税金の支払いが求められることがあります。しっかり確認しておきましょう。

20代も円満退職を目指そう!

円満退職が大事な理由

 
 20代で転職を決意したからには、それまでの勤務先には不満や不安があったことと思います。転職活動が実って、内定を得られたら、新しい職場での生活への思いが膨らむのは当然なことです。
 
 ですが、それまでの勤務先で社会人基礎力を高められたからこそ、転職先の内定を得られたのも事実です。勤務先の規則を守って、円満退職することは、良識ある社会人として当然なことです。
 
 縁あって出会った上司や先輩、同僚たちの顔を二度と見られなくなるような、退職はしないように準備しましょう。

円満退職するために

 
 円満退職がしたいなら、転職活動を始めるときに、まず勤務先の就業規則を確認します。そこには、退職日のどれくらい前に「退職届」を提出しなければならないかが書かれているはずです。
 
 その日付の2週間から1カ月前に、直属の上司に会社を辞めたいという意向を、まず口頭で伝えましょう。その際、会社を辞めたい理由を聞かれると思います。
 
 キャリアチェンジ転職の場合は、「ほかにやりたい仕事が見つかったから」と、本音で話しても構いませんが、キャリアアップ転職の場合には、勤務先への不満や批判を語るのは得策ではありません。「一身上の都合で」で、押し通しましょう。